サンタクロースを信じたことなど一度もない。
欲しいものをお願いしても、それが来たためしはなかった。
朝起きると、毎年、お菓子の詰まったサンタの靴が枕元にあった。
忙しい父が、キオスクとかそういうとこで、間に合わせに買って来ていた
に違いない。
バンビの絵のついたラムネとか、そういう駄菓子系の小さいお菓子がいっ
ぱい詰まってて、どうひいき目に見ても、ほかのお友達が信じている、外
人であるサンタクロースがわざわざうちにやって来て置いていくものでは
ないと、子供心に思ったものだ。そして、明け方、その靴を父がわたしと
妹の枕元に置いたのに気づいてしまった。サンタクロースなどという夢は
見たことがない。
我が家は宗教とは無関係にあった。母は、昔、親友が某宗教団体の構成員
で、勧誘を断った途端に態度を変えられたことに大変なショックを受けて
、その宗教団体はおろか宗教自体を信じないようだ。
なので、クリスマスといっても、世間の浮き足立ちに少し便乗して、ケー
キを焼いてみるとかチキンをローストしてみるとか、ちょっと普段よりご
ちそうが食べられるというイベントであった。まあ、どこもそんなものか
。
どこかの宗教団体から、クリスマスの時期に、イエス・キリストのことを
描いた本をもらった。小学校低学年のころだと思う。漢字にかながふって
あったから。クリスマスの意味が初めてわかった。なるほど、って思った
。でもうちには関係ないなって。そんなふうに冷めて大きくなった。
クリスマスが神聖なものだなんて思って、彼氏と過ごすことに意味を持た
せたりなんてしたこともない。満室だというホテルの中で、みんな励んで
るんだ、と思うとおかしいよね。
飲食の仕事が好きで、ずっと携わっていたから、クリスマスは大忙し。オ
ープン前に、従業員みんなで集まってユンケルを一気に飲んでから、看板
を出したものだ。
ところが今年は!銀座は、土日祝日ばっちり休みなのだ。
生まれて初めて、「クリスマスにひとりか・・・寂しいなあ」とか思って
んの!!なんか、普通の女の子みたいでうれしい。
夜は銀座で働きながら、昼は恵比寿のこじゃれた和風居酒屋のランチのバ
イトに行っているのだが、そこのバイト仲間に「24日は女の子が集まっ
て本店で飲むらしいから、相馬さんもぜひ」だなんて言われた。ぜーった
い、やだ!そんな虚しいこと。
そこの男の子が言っていた。24日はテレビがめちゃめちゃ面白いんだっ
て。毎年。ビデオ1台じゃ足りないって。24日録りだめしたビデオを正
月に見るってのが、フリーの大道なんだそーだ。彼は正月は一歩も外に出
ない宣言をしている。
今年はわたしもその路線か?