排卵事情

ちょっと生活がパターン化してきて、飽きてしまったようだ。バイトは 愉快な仲間に囲まれて楽しいのだが、排卵による精神的不安定が、現状を 憂い始める。
 昼間、居酒屋ランチのホールスタッフとして働いているので、朝10時 までに、恵比寿まで自転車(もみじ丸)を走らせる。
 寝ぐせはニットの帽子のなかに押し込めてしまうし、風を通さない最強 の皮のダウン(えんじ色)「キムタクジャンパー(Love lockのもとくん命名)」を着てしまえば、中はよれたTシャツでも 汚れたパーカーでも良いから、誰に会う予定もなく、ジムに行く日はおし ゃれに気を使うことすらしない。
 「ほんとに相馬ちゃん、やる気ねーな。俺らを男として見てない証拠だ よ」
 などと言われたりしながら、ひどい寝ぐせのまま仕事をしたりする。
 気分がくさくさする。つまらないのだ。友達との会話は楽しんでいるけ ど、カラ楽しいという感じ。ネガティブになり、ひとりで相撲を取ってい る。ちょっとしたことで傷つく。つらいのを楽しもうとするけど、うまく 行かない。 
 これは卵のせいだ。月ごとにひどくなっていっている気がする。わたし 、いつか卵に殺されるかも。今からこんなで、更年期は一体どうなっちゃ うのでしょ?
 排卵日あたりは、自分にとって大事な人から離れなければならない。嫌 われたかも、と考えて落ち込むから。

がんばって就職活動をしている人が身近にいて、「未だ何者でもない自 分」と闘っている。その焦りに、影響されているみたいだ。
 わたしはいつになったら「なにか」になれるんだろう?やっぱり、食え なきゃしょうがなくない?などなど、悩みにとりつかれているのだ。
 それで、とりあえずバイト。気分転換。目先のお金。
 20歳の、10$ANGELの三姉妹(長女はわたし。次女はMizb ee'zのフライヤーで活躍のゆん)の末っ子、らんちゃんが働く、自由 が丘のキャバクラに体験入店。わたしったら全然キャバ嬢って年齢じゃな いんだけど、最近新しく知り合う人は、年齢を言うとかなりびっくりする のだ。22、3歳でもイケるってそれは嘘だよって思ったけど、ともかく キャバ嬢やってみるのもネタ的にありかな、と思いつつ、源氏名を「紅葉 」と書いて「くれは」ってのにした。(Love iockのもとくん命名)

すごいよー、キャバクラ。この不景気に満員御礼。40分3千円の飲み 放題。安い!女の子は20人くらい。指名をしないと20分くらいで女の 子が入れ替わる。
 その日は、若い男の子グループの忘年会の二次会の席に、わたしは相当 長い時間いさせられた。その場で場内指名されたので。
 しかし、なんとも、う〜む、な感じ。会話がね。銀座で鍛えた話術が通 用しない世界です。頭わるくなりそう。
 しかし先輩キャバ嬢たちは、一緒に盛り上がれてるんだよね。客席で煙 草もオッケーだし、カラオケもあるし、なんかすごいとこ。
 一日やってみて、こりゃ違う意味できついなーと思ったけど、こんなに 安い店だったら友達呼べるな、とか、週に2回くらいならいいかな、と考 えてしまった自分がいる。
 上がるとき、1万6百円とタクシー代3千円をもらった。

「いらっしゃいませ、くれはでーす!」
 「なにそれ、クレハ化学のくれは?」
 「いえいえ、もみじでーす!」 
 こんな感じ。
 そんなことやってるうちに、卵による鬱も影を潜める。女の子って大変 ね。そうでもない?