CANDY

汚れものは洗わなきゃならない
その匂いを手放したくなくても
未来に向かわなくてはならない
過去をどんなに慈しんでも

空に穴を空ける月を仰いだ
もう一度あの瞬間に戻れればいい

もう終わってしまうからってわたしは言って
でも始まってなんかないとあなたは言った

思い出という名前のキャンディー
胸にしまった缶に入ってる
わたしはひとつずつ取り出して
蟻にたかられるほど舐めてる

知っている、あなたはわたしを蔑んでた
所詮自由になんてなれなかった

もう終わってしまうからってわたしは言って
でも始まってなんかないとあなたは言って
全部冗談でかわしたその上に
涙流させてもくれない

もう終わってしまうからってわたしは言って
でも始まってなんかないとあなたは言って
とてもおざなりに抱き合ったその後で
うまく笑顔を見せてさよなら

あなたもわたしの過去になった
思い出のキャンディーになった
耳の下が痛む柑橘系
いくつも取り出しては舐めてたい