打ち水
夕方に打たれた水はアスファルトの匂い
遠くに祭り囃子、笑う浴衣の少女
足を止めて、時を止める
どこに置いてきた? 記憶
なぜに記してゆくのか
彼女たちはわたしの脳裏に
わたしはこの空間に
夕暮れの冷めやらぬ熱気は
飽和した時代の象徴
ただあなただけを求め過ぎて
季節ばかり行き過ぎて
花火のように消えてしまう
どんな不幸も欲望にはひれ臥して
戻り来る死者の霊さえも忘れてしまえる
ねぇ、打ち水あとの匂い
夏の溶けかけた記憶
落ちた火種、線香花火
覚醒を手伝って
あなたなしではなにも進まない
立ち止まる時間に、白昼夢