ぼくのトリップ

(7/13 ポエトリーリーディング)
街すら眠ってしまった
終わらないTVの深夜番組に消されているが
あの都会のおびただしい消費電力のことを思えば
ますますぼくは闇を懐かしみ
そのくせ省エネに忠実なこの小さな町で
寂しさにうち震える

でも耐えられないわけじゃない
トぶ理由が欲しいだけだ

ぼくは心の表面にしっとりと染み出した感情を
あつめて指でこね、
小さくちぎって水パイプに詰めて火をつける

深く吸い込んで息を止めれば
逆流する赤血球
ぼくの白目を赤くするのは
どうしようもない孤独に泣かされるからではなく
癒されるから

ぼくの頭の中は自由
たとえ捕えられていようと
見えない弦の上で指を踊らせ
新しいフレーズを編み出したがっている

何が導いているというのか
ぼくはいよいよ見極めたい
人は何によって生かされるのか
デフレの恩恵にあやかった290円のビーフボウルか

くるくると目まぐるしい世界を止める方法を
ずっと探しているのだ

ぼくは心の表面にしっとりと染み出した感情を
あつめて指でこね、
小さくちぎって水パイプに詰めて火をつける

幻影はやがて現実となり
正気と狂気の狭間で
ぼくは認めたくない愛の一部を垣間見る

ぼくの意識が溶けるころ
ぼくが認識していた世界は止まり
天からの光に包まれる錯覚に陥れば
死はいとおしむべきものだということを
いつだって体験できる

理解した!
ぼくはいつだって恐れるのだ
見えない、大きなチカラを!

でも耐えられないわけじゃない
トぶ理由が欲しいだけだ

街までもが眠ってしまった
すやすやと寝息を立てているであろう誰かを思い
寂しさにうち震える

ぼくの頭の中は自由
完全なる不自由さを知っているぼくには
地球上が一つの壮大な収容所みたいだ

何が導いているというのか
ぼくはそろそろ見極めたい

冷たい鉄格子の中で・・・
ぼくは心の表面にしっとりと染み出した感情を
あつめて指でこね、
小さくちぎって水パイプに詰めて火をつける
ぼくは心の表面にしっとりと染み出した感情を
あつめて指でこね、
小さくちぎって水パイプに詰めて火をつける
ぼくは心の表面にしっとりと染み出した感情を
あつめて指でこね、
小さくちぎって水パイプに詰めて火をつける

そうやってぼくはトリップしつづける


バックミュージック:吉見征樹アルバム「WAWA II」より
「あなたの気持ちもわかるけど・・・」

吉見征樹氏のことについては
「スパコネ」のページを御覧ください。