銀座トリップ

夕刻すぎなら
陽も落ちる冬至前
夜を急ぐ

数寄屋通りの裏手
泰明通りあたり
ノスタルジックな場末さ加減
レトロな看板は真実

時間を止めたかつて美しかったママ
美しくあるために犠牲にしたもの
拾い集めては望郷のリハビリ
今じゃお客も死にかけて
時代に埋もれそうな
前衛鉄筋コンクリート

壊れそうなエレベータ
赤い床が一見ゴージャス、な
古びた螺旋階段
薄暗いフロア
ひしめきあうドアやドア
その向こうに
それぞれの世界が広がって

廊下の端の天井あたりに淀む
かつての空気
それらがわたしに見せる
不可思議な幻影
銀座トリップ